これが本物の日本の城！
現存天守12城
美しい天守閣は日本のお城の象徴とも言える存在。ただし、江戸時代までに建てられた天守で現存しているのは、わずか12しかないことをご存知ですか？今回の記事では、そんな貴重な天守のあるお城のプロフィールをインフォグラフィックにしてみました。
愛知県犬山市にある国宝、犬山城。小牧・長久手の戦いの舞台にもなったお城で、築城は室町時代の1537（天文６）年。織田信長の叔父、信康が築いたとされています。天守の高さは約19ｍ、廻縁（まわりえん）が囲む望楼型で日本最古の様式とか。木曽川に面した山の上にそびえ、立ち姿も天守からの眺めも美しい絶景のお城です。
福井県坂井市丸岡町にある丸岡城。柴田勝家の甥、勝豊によって、安土桃山時代の1576 (天正4) 年に建てられました。天守の高さは約12.6ｍ。屋根瓦に石瓦を使用しているのは全国的にも珍しく、防寒対策なのだとか。 日本さくら名所100選にも選ばれ、春爛漫の頃には幻想的な姿が鑑賞できます。
長野県松本市にある国宝、松本城。戦国時代末期の1593（文禄2）年に建てられたため、戦に備えて外壁は漆黒、弓や鉄砲を放つための小さな窓が115か所も設けられています。また、江戸時代に建てられた櫓（やぐら）が戦国時代の天守と並ぶのは、数あるお城の中でもここだけです。
世界遺産かつ国宝で、日本一の名城とたたえられる兵庫県姫路市の姫路城。高さ約31.5ｍの大天守は、1609（慶長14）年、池田輝政が建てたもの。大小の天守が白鷺が羽を広げたように見えるため「白鷺城」とも。平成の大修理を終え、築城当時のままによみがえった白亜の姿は、まばゆいほどの美しさです。
滋賀県彦根市にある国宝、彦根城。高さ約17ｍの天守が建てられたのは1607（慶長12）年頃。豊臣家ににらみをきかせるため、徳川幕府の支援を受け、12の大名が城の建造に参加しました。代々、彦根藩井伊家の居城で、幕末の桜田門外の変に倒れた井伊直弼もこのお城で生まれたんですって。
2015年、お城として5つ目の国宝に指定された島根県松江市の松江城。築城は1611(慶長16)年で、天守は約22.４ｍの高さ。黒板塀に守られた姿は、初期天守閣の姿を残しているのだとか。ぜひ体験したいのが、お城周辺の堀川を遊覧船で巡るツアー。城下町の風情漂う街歩きもおすすめです！
香川県丸亀市にある丸亀城。天守は1660（万治3）年に建てられたもので、高さ約14.5ｍと小ぶりですが、日本一の高さを誇る約60mの見事な石垣の上に立ち、威厳に満ちあふれた姿を見せてくれます。また、全国でも珍しい木造天守として知られています。
愛媛県宇和島市にある宇和島城。1601（慶長6）年、この地に初めて藤堂高虎が天守を建造したとされ、1666（寛文6）年頃に高さ約15.7mの現在の天守に建て替えられました。城山には300年以上守られてきた植物が生い茂り、周囲を散策するのも気持ち良さそうです。
岡山県高梁市にある備中松山城の天守は、1683（天和3）年頃に建てられたもの。高さ約11ｍと現存天守の中では最も小さいながらも、標高430ｍという最も高い場所に位置し、唯一の山城でもあります。秋から春にかけての早朝、気象条件などが揃えば、雲海展望台から雲海に浮かぶお城の雄姿を見ることができますよ。
高知県高知市の高知城は、1611（慶長16）年、妻の内助の功で知られる山内一豊が築城。しかし、火災によって焼失し、天守は1749（寛延2）年に創建当時のままの姿で再建されました。高さ18.5ｍの天守からは高知市街が一望でき、追手門や本丸御殿などの貴重な建築物も見どころです。
天守があるお城として日本最北に位置する、青森県弘前市の弘前城。築城は1611(慶長16)年ですが、落雷で天守が焼失し、1810（文化７）年に御三階と呼ばれる櫓（やぐら）を建てて天守としました。東北屈指の桜の名所でもあります。2015年8月から100年ぶりの石垣修理のため、「曳屋」といって天守を持ち上げて移動させる工事が始まりました。工事の様子や移動した天守が見られるのは今だけです！
愛媛県松山市の松山城は葵の御紋がトレードマーク。最初の城は落雷で焼失し、黒船来航の翌年となる安政元年（1854年）に、高さ約21ｍの現在の天守閣を再建。これが日本最後の天守建築となりました。天守をはじめ城内の21棟が国の重要文化財。山の上にあり、ロープウェーで行くこともできます。
最近は外国の人にも人気の高い日本のお城。石垣の積み方一つにも知恵がつまっていて、お城で繰り広げられた人間ドラマも面白いですよね。この12天守は周辺が城下町として整備されている場所も多いので、のんびり散策も楽しめるはず。ぜひ出かけてみてください！
参考資料
・｢イラスト図解 城｣小和田 哲男（日東書院本社）
・各城のオフィシャルサイト 等
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